チャン・ビン・フック中佐は、ホンチュイ島に自ら留まり、子供たちの教育支援に尽力している。(写真:Huyền Trang/VOV5)

グエン・ゴック・フオンさんとキム・ホアン・カンさんは、ベトナム南西部の重要な前方拠点の一つであるホンチュイ島で生まれ育った子供たちです。

二人は学年こそ違いますが、国境警備隊のフック中佐が直接教鞭を執る「特別なクラス」で共に学んでいます。それは、ホンチュイ国境警備駐屯地が運営する「慈愛の教室」です。現在、1年生から5年生までの11人が在学し、4つの習熟度に分かれています。山腹にある小さな教室には、3つの角に黒板が掲げられ、机は背中合わせに配置されています。生徒たちはそれぞれの黒板に向かって課題に取り組んでいます。

フック中佐は次のように語りました。

(テープ)

「私のクラスは、複数の学年を同時に教える形式です。通常は二つの学年を組み合わせますが、ここではそれ以上の学年を一度に教えています。これを実現するには、深い知識はもちろん、高度な指導技術が求められます。教え子たちが基礎をしっかりと身につけ、本土の学校に編入しても周囲に遅れを取らないことはは長年活動を続けてきた私にとって最大の誇りです」

ホンチュイ国境警備隊が運営する「愛情クラス」の生徒たち(写真:Huyền Trang/VOV5)

2010年にホンチュイ島へ赴任して以来、フック中佐は「子供たちに読み書きを教えたい」という強い願いを抱き続けてきました。ホーチミン市国家大学人文社会科学大学を卒業したものの、教育学が専門ではなかったため、本土の教師から助言を仰ぎ、夜遅くまで自習を重ねて指導案を作成する日々を送りました。専門的な困難だけでなく、島民の意識を変えるのにも2年の歳月を要しました。「軍人が子供たちに教育を授け、明るい未来を切り拓ける」という信頼を勝ち取るために、粘り強く説得を続けたのです。

(テープ)

「かつての子供たちの澄んだ、しかしどこか悲しげな瞳が忘れられませんでした。軍人としての意志を胸に、現状を変えると決意したのです。今では、子供たちの顔に笑顔が溢れています。私たちの活動が島民に信頼と幸福をもたらしています。小さな一歩かもしれませんが、私にとってはこれ以上の幸せはありません」

授業の際、フック先生は常に故郷への愛を織り交ぜ、生まれ育った島に対する責任感を子供たちの心に植え付けています。当初の仮設教室から、今では立派な教室へと生まれ変わりました。学用品や衣類などは、フック中佐と国境警備隊の隊員たちが一丸となって手配しています。教室では、上級生が下級生の学習をサポートする光景も見られます。

5年生のグエン・ホアン・ハオさんは次のように話しました。

(テープ)

「先生のクラスに入ってから、読み書きができるようになりました。とても楽しいです。先生からは下級生を教えるよう言われていて、今は1年生に文字を教えています」

任期は本来5年でしたが、フック中佐は自ら志願して島に留まりました。在島16年で、教え子は98人に上ります。そのうち7人が大学を卒業し、多くが専門技術を習得して安定した職に就いています。この「慈愛の教室」は現在、カマウ省ソンドック村の教育システムにおける正規の教育拠点として公認されています。

島民のホアン・タック・ザンさんは次のように述べています。

(テープ)

「以前は娘がここで学び、現在は息子がお世話になっています。駐屯地が学校を開いてくれたおかげで、島の子供たちは読み書きを覚え、適切な年齢で本土の学校へ進学できます。先生はとても謙虚で、子供たちを自分の子のように愛してくださっています」

祝祭日には、かつての教え子たちが各地から島へ戻り、恩師を訪ねます。学生もいれば、社会人もいます。先生を囲み、成績や仕事の成果を報告することが、彼らなりの恩返しです。そんな時、先生は一人ひとりにノートとペンを贈ります。その小さな贈り物を手に、彼らはそれぞれの場所で、自らの夢や故郷への貢献という人生の新しい章を綴り続けています。