ベトナム共産党のトー・ラム書記長は、去る325日に閉幕した第14期中央委員会第2回総会で演説し、「高度経済成長は、国民の利益と生活の向上、そして社会の公平性につながるものでなければならない」と強調しました。これは戦略的な発展の原理であり、ベトナム社会主義共和国の優れた性質をはっきりと示すものです。
現在、ベトナムは多くのチャンスと課題が入り混じる新しい発展の段階にあります。単に速く成長するだけでなく、「人のため、人のために尽くす」という正しい方向性が求められています。

成長の果実は国民のもの
トー・ラム書記長は、あらゆる政策や投資、プロジェクトは、国民の収入を増やし、貧困を解消し、格差を縮めるなど、人々の生活に実質的な価値をもたらすものでなければならないと述べました。また、社会福祉を充実させ、すべての人の正当な権利を守る必要性を強調しました。
「成長の成果は公平に分かち合わなければならない。それが社会のまとまりと持続可能な発展を支える土台になる」として、これこそが国の制度の本質であり、政策が成功したかどうかを測る「物差し」であるとの考えを示しました。
経済成長はそれ自体が目的ではありません。開発の最終的な目的は、人々の暮らしをより良くすることにあります。たとえGDPが成長しても、実質的な所得がそれに伴って改善されず、地域間や住民グループ間の格差が広がり続けるのであれば、その成長は十分な意味を成しているとは言えません。教育、医療、住まい、雇用、そして社会保障に人々がより公平にアクセスできてこそ、真の成長と言えるのです。
これまでの経験から、成長が社会保障や持続的な貧困削減と結びついたとき、開発の成果はより強固な社会基盤を持つことが示されています。農業環境省が316日に発表したデータによりますと、2022年から2025年までの基準に基づく2025年の「多次元貧困率」は2.95%となりました。これは2024年の4.06%から大幅に減少しており、注目すべき成果となっています。
しかし、持続可能な貧困解消のためには、割合を減らすことだけでは足りません。基本的なサービスを誰もが受けられるようにし、それぞれの家庭が予期せぬトラブルに直面しても耐えられる力をつけ、状況が変わっても再び貧しさに戻らないようにすることが重要です。
こうした考えに基づき、トー・ラム書記長が示した、科学技術や新しいアイデア、そしてデジタルの力を活用した「新しい時代の国づくり」に向けた決議を早期にまとめるという提案は、極めて大きな意味を持っています。これまでの成長の原動力に限界が見え始めたなか、これからは知識や技術、データ、そして管理能力や制度の質といった新しい力が不可欠となります。成長の柱をこうした基盤へと移すことで、初めて高い成長を長く保ち、自立した形で社会のすみずみまでその恩恵を届けることが可能になります。

経済の成長と暮らしの質を両立
ベトナム共産党は、ドイモイ刷新事業において、一貫して経済発展を最も重要な柱として位置づけてきました。長年にわたり、ベトナムは目覚ましい経済成長を遂げ、この地域で最も勢いのある国の一つとなっています。しかし、これまでの経験から、単に成長のスピードだけを追い求め、中身の質や成果の分け合いをないがしろにすれば、その成長は長続きせず、社会にさまざまなゆがみをもたらすことも分かってきました。
党は「どんな犠牲を払ってでも成長すればよいという考え方はとらない」と決めています。強い経済とは、国民の暮らしを支え、豊かにするものでなければなりません。すべての政策や投資は、人々にとっての「本当の価値」を生み出すことに向けられるべきです。そのためには、政策の立て方や実行のあり方を根本から変えていく必要があります。投資の規模だけでなく、それが社会にどのような良い影響を与えるかを評価しなければなりません。目先の利益だけを見るのではなく、地域社会や環境への長い目で見守る姿勢が求められています。
一つの事業が成功したと言えるかどうかは、単にGDP国内総生産にどれだけ貢献したかだけでは決まりません。安定した仕事を生み出し、人々の収入を増やし、日々の暮らしをより良くして、その土地に住む人々に成長のチャンスをもたらしてこそ、本当に成功したと言えるのです。
グエン・ベト・トン博士は次のように述べています。
(テープ)
「経済成長は、社会の進歩や公正の実現と共にあるべきだというのが、ベトナム共産党の一貫した考え方です。雇用を創出し、貧困をなくし、誰もが教育を受けられる社会を目指しています」
国民の利益と公正な社会のために成長を続けることは、ベトナムの経済が社会主義を目指していることを示す重要な原則です。この考えをしっかりと守り実行していくことが、高い経済成長を実現するだけでなく、公正で豊か、そして人々が幸せに暮らせる社会をつくるための鍵となります。