(現場の音)

スティエン族の村々では3月下旬になると、その年で最も重要な祭りである雨乞い祭りの準備が慌ただしく行われます。この祭りは新しい農作業の時期に行われ、天の神、地の神、米の神などに感謝の意を表すためのものです。ビンミン村のディエウ・ベ長老は次のように語りました。

(テープ)

「雨季がやってくると、私たちは祭りを開催します。2年に1回程度、村人の合意のもとで行います。その日は田植えの準備として祭りを催すのです」

準備は丁寧に行われ、特に「ネウ」と呼ばれる祭りの中心となる木を立てることが重要視されます。開催1ヶ月前から場所の清掃や飾り付け、衣装や供物の用意がなされます。スティエン族は最高級のもち米で作ったおこわや豚肉、鶏肉などを神々に捧げます。有力者ディエウ・スロイ氏は次のように語りました。

(テープ)

「供物は地元の簡素な産物で、豚、鶏、果物、花など簡素なものですでも村人は皆、心を込めて用意するのです」

女性たちは燃料や水、もち米を用意し、おこわと地酒を作ります。しかし不作の年は、心から神に捧げることが何より大切だと考えられています。ディエウ・ベ長老は次のように語りました。

(テープ)

「供物は年によって変わります。作柄の良い年は豪華に、そうでない年は質素になります。でも豚の頭は必ず必要ですが、鶏や果物はあってもなくてもかまいません」

供物の準備ができると、「ネウ」が立てられます。ネウは人と神、天と地を結ぶ使者で、祈祷師が神々に願いを伝える媒体であり、神々が宿る場所でもあります。

当日は若者たちがゴングと太鼓の演奏で神々を招き入れ、長老が伝統的な服装で祭りを務めます。長老は両手を上げてネウを見上げ、神々に願い事を述べます。

「天の神よ、旱魃のため野は枯れ、人々は水を求めて苦しんでいる。作付けの時期が近づいた。このネウと供物を神々に捧げ、私たちに健康と働く力を与えてくださった神々に感謝する。そして雨を降らせ、豊作と喜びをもたらしてくださるよう願う」と祈ります。

ディエウ・ベ長老は次のように語りました。

(テープ)

「私たちは雨乞いの祭りを行い、田植えや作物の植え付けの準備をします。豊作になり、十分な食べ物と着る物があり、幸せな生活ができますように」

その後、女性たちがネウとみんなの上に水をかけ、新しい命と清らかさを願います。そうすれば雨が降り、豊かな収穫が得られると信じられているのです。